2-2 文入力時の注意点
 もちろんides-AZILEの自然文処理はまだまだ改良が必要で、現状では、複雑な文を理解することができません。 したがって、idesが理解できない文もあります。そのような場合は、ides-AZILEは、その文を単に無視します。
 まず、idesは日本語入力のみを想定しています。英単語が入力されると、いちおう処理しようと努力しますが、多くの場合、うまくいきません。 また、記号の処理は苦手です。ただし、""で囲まれた文字列は固有名詞であると認識されるように調整しています。 これは、特にides-AZILEのための処理で、Twitter上での名前を特定するためのものです。 たとえば、

 私の名前は、"あきのり"です。

と入力すると、あきのり が固有名詞として登録され、次回の入力からは、""を伴わなくてもそう処理されるようになります。
 もちろん、

 私の名前は高田明典です。

というような、氏名であることが明らかであるものに関しては、""でくくる必要はありません。 これは、形態素解析パーザー MeCabで使用している辞書(IPA辞書)に、その名前が「固有名詞」として掲載されているか否かによりますが、 ides-AZILEは、"あきのり"というように固有名詞として指示されたものを辞書に「固有名詞」として即座に登録します。したがって、

 私の名前は何ですか?

などと入力すると、あなたが入力した名前を答えるはずです。
 ides-AZILEは、Twitter上で不特定多数の人と会話することを想定していることもあり、指示語の特定が苦手です。 「それは何?」などと言われた場合、idesは、一生懸命「それ」を検索しますが、実際には「それ」が何であるかはよくわからない場合が多いからです。 ただし、Twitter上の場合、対話者の特定はスクリーンネームで行うことができるので、 「私」「あなた」という代名詞は、比較的よく特定することができます。
 また、idesは、不完全な文の処理が苦手です。 「楽しいの?」などと聞かれても、「誰が」楽しいのかと聞かれているのかを特定するのは難しいからです。 さらには、「君は?」などと聞かれても、「君が、何だ」「どうだ」と聞かれているのかを特定するのは、現状のidesにとっては難しい作業となります。 そのような場合でも、idesは、文脈情報を使って、一生懸命「話者の意図」を推測して、可能な限り返答しますが、 素っ頓狂な答えになってしまうこともありますし、結局特定できなくて、返答できない場合もあります。 ですから、できるかぎり「主語と述語がそろった形式」で入力してもらえると、助かります。
 ides-AZILEは、ユーザーの入力文によって学習していきますが、現在のところ、登録ユーザー以外の方による入力に関しては、 メンテナンス時にすべて消去しています。ただし、メンテナンス時に消去されるまでは、ides-AZILEは入力された文をすべて覚えているはずです。