ides-AZILEの開発言語はC#です。日本語の形態素解析パーザーにはMeCabを使い、構文解析にはCabochaを使っています。
また、Twitterとの連携にはCoretweetというライブラリを使っています。
Twitterのアカウントであるides_azileに対して、.@ides_azile で始まる「メンション」が書き込まれると、
ides_AZILEがそれを読み取ります。読み取りはTwitter APIの非同期処理によって行われます。
読み取られた文は、まず、形態素解析パーザー MeCabによって形態素が抽出されます(簡単に言うと品詞分解です)。
また、同時に、構文解析パーザー Cabocha によって、語のあいだの係り受け解析が行われます。
それらの結果を受け取ると、idesは、文の構造を特定し、文をidesの内部表現形式であるメタ形式に変換します。
この段階で、idesは、ある単語や語句で示された概念が、クラスに該当するものであるのか、それともインスタンスに該当するものであるのかの
判定を行います。
クラスとは「犬」「猫」「学校」「大学」などの、いわゆる集合概念を意味し、インスタンスとは「高田」「フェリス女学院大学」「その猫」などの、いわゆる固有の人物や事物を意味します。
またides_AZILEでの特殊処理として、@で始まるTwitterのスクリーンネームはすべてインスタンスを示す概念として登録されます。
idesは、原則として、クラスについての叙述を「論理」であると認識し、インスタンスについての叙述を「事実」であると認識します。
したがって、「高田は男です。」は事実文であり、「猫はかわいい」は論理文と認識されます。
また、idesは、後に述べる「階層構造意味空間モデル」を採用しており、ある対話者(ユーザー)が入力した文のメタ形式は、まず、そのユーザーの意味空間内に登録されます。
そして、その文が、idesが知っている他の論理や事実などとのあいだで矛盾を生じない場合には、
idesは、その文(のメタ形式)を、ides自身の意味空間内に取り込みます。この仕組みについてのもう少し詳しい説明は、後に示した論文にあります。