1-2 ides-AZILEは誰がどこでいつ作ったのか?
 ides-AZILEは、現在では、フェリス女学院大学文学部コミュニケーション学科・高田研究室で作られています。 ただし、ides-AZILEのエンジン部分であるIDESは、かつて高田が所属していた尚美学園大学芸術情報学部情報表現学科・高田研究室において、 その基本部分が作られました。
 初期のIDESが作成されたのは、2002年頃でした。当時のIDESは、LINUX上で組まれたシステムであり、 開発言語もC++でした。また、比較的大がかりなシステムであり、3台〜5台程度のコンピューター間で分散処理をして通信しながら 入力文の処理をするというものでした。 また、当時のシステムは、パーザーとしてカーネギーメロン大学のlink-parserを使っての、英語文入力を基本とするシステムでした。
 そののち、PCの性能向上を背景に、改良を繰り返して、2013年に、 今の形のidesの原形が作られました。現状のidesは、Windows上のC#で開発されています。 長く使ってきたLINUX上での開発を諦めたのは、大きく二つの理由があります。 まず、日本語処理をするという前提のもとでは、Windows上のほうが楽かもしれないと(初期に)考えたことによります。 これは正しい判断ではなかったかもしれませんが、形態素解析パーザーであるMeCabも、構文解析パーザーであるCabochaも、 Windows版が配布されており、そのインストールの楽さから、そう判断したということです。
 また、やはりC#の存在が大きいと考えています。もちろんLinux上でもC#を用いた開発はできますが、 Visual C#というとてもよくできた統合開発環境によって、多くの問題が解決しうると考えたことが大きかったと考えています。 私(=高田)が、かつてTurbo Pascalのユーザーであったこともあり、Turbo Pascalの開発者であるAnders Hejlsbergが開発したC#は、 とても私の手に馴染むものだったということも大きく影響しました(C++には辟易としていたので……)。 特に、ides-AZILEは、 Twitter APIとの連携が必須であることから、CoreTweetのライブラリを比較的簡単に導入することができるVisual C#の環境は、大きな魅力でした。
 2014年には、ides-VANCS(Virtual Advisory Natural Conversation System)が作られ、いくつかの学会発表も行われましたが、 idesシステムのフルセットであるides-VANCSには多くの問題があったため、それを解決するために、サブセットであるides-AZILEを構築し、 現在、そのides-AZILE上での学習可能性のテストを再度行っているというのが現状です。
 ides-AZILEはidesをエンジンとし、Twitter経由で文を入力することのできる簡易版の質問応答システムであり、2015年5月からテスト的に運用を開始しています。
 開発者については、以下 ↓ を見ると、そこそこよくわかります。